私たちは普段、ほとんどの作業を「利き手」で行っています。字を書くのも、食器を持つのも、スマホを操作するのも、自然と利き手を使いますよね。ところが、この「当たり前」を少しだけ変えてみると、脳が意外なほど活性化することをご存じでしょうか?
今回は「利き手ではない方の手を使う」というシンプルな方法が、なぜ脳に良いのか、そして実際にどんなメリットや注意点があるのかを紹介します。
利き手ではない手を使うと脳はどうなる?
脳はよく「使えば使うほど鍛えられる筋肉のようなもの」とたとえられます。実際には筋肉ではありませんが、神経回路が刺激されることで新しい結びつきが生まれたり、眠っていた領域が活性化したりします。
普段の生活で利き手ばかり使っていると、脳の同じ部分ばかりが働きます。ところが逆の手を使うと、いつも使わない神経経路が呼び起こされるのです。たとえば、右利きの人が左手で箸を持とうとすると、右脳がより活発に働きます。これにより「脳全体のバランスが良くなる」「新しい感覚が刺激される」などの効果が期待できます。
メリット:遊び感覚で脳トレになる
利き手ではない手を使うメリットは多くあります。
- 脳の柔軟性が高まる
使い慣れない手で作業することで、脳は「どうやって動かそうか」と試行錯誤します。その結果、神経回路が新しくつながりやすくなります。これは年齢に関わらず有効で、認知症予防にも良いと考えられています。 - 集中力アップ
逆の手を使うと普段以上に注意を払う必要があるため、自然と集中力が高まります。スマホを持つ手を変えるだけでも「おっと、違和感があるな」と脳が刺激を受けます。 - マンネリ防止
いつも同じ行動パターンは脳にとって退屈です。日常の小さな行動をあえて変えることで、新鮮さを感じやすくなり、気分転換にもつながります。 - 器用さが増す可能性
最初はぎこちなくても、続けていくうちに両手がバランスよく動かせるようになることもあります。これはスポーツや楽器演奏にもプラスに働きます。 - 体のバランス改善にもつながる
脳だけでなく、体へのメリットもあります。重い荷物をあえて逆の手で持つと、普段あまり使っていない筋肉が働きます。その結果、筋力のバランスが整いやすくなり、姿勢や肩こりの改善につながることもあります。
デメリットや注意点もある
もちろん、いいことばかりではありません。利き手ではない手を使うときには注意も必要です。
- 効率が落ちる
字を書く、ハサミを使う、箸で食べるなどは最初かなり時間がかかります。大事な書類や人前での食事ではやらない方が無難です。 - ストレスを感じやすい
うまくできないことでイライラする人もいます。「脳トレのつもりなのにストレスになっては逆効果」なので、気楽な場面で試すのがおすすめです。 - ケガのリスク
包丁を持つ、熱い鍋を持つといった作業を逆の手で行うのは危険です。生活に支障をきたさない範囲で行うことが大切です。
具体的にどんなことをすればいい?
難しいことをする必要はありません。日常のちょっとした行動を「逆の手でやってみる」だけで十分です。
- スマホを逆の手で操作してみる
- 鍵やドアの開け閉めに逆の手を使う
- テレビのリモコンを逆の手で持つ
- 食器を洗うときに逆の手でスポンジを持つ
- ペットボトルの蓋を逆の手で開け閉めする
- 重い買い物袋をいつもと反対の手で持ってみる
などなど、逆の手を使うチャンスがあれば積極的に使ってみましょう!
最初は「なんでこんなに難しいの?」と笑ってしまうかもしれません。しかしその違和感こそが脳への刺激です。ゲーム感覚で楽しくやってみてください。
まとめ:小さな変化で脳と体を元気に
脳を活性化させる方法はたくさんありますが、「利き手ではない方の手を使う」というのは道具もお金も必要なく、すぐに始められるシンプルな方法です。
- 脳の新しい神経回路を刺激する
- 集中力や柔軟性が高まる
- 日常に新鮮さが生まれる
- 体の筋力バランスも整いやすい
といったメリットがありますが、同時に効率の低下やストレス、ケガのリスクには注意しましょう。
「今日は買い物袋を左手で持とう!」といった小さなチャレンジを続けるだけでも、脳と体はしっかり刺激を受けます。毎日の生活にちょっとした遊び心を加えて、楽しく元気にお過ごしください!